歯科予約システムは、患者の予約管理や予約状況を確認するだけのツールではありません。
患者一人ひとりのデータが細かく記録され、治療法やサービス面での改善もできますし、システムによってはクリニックの経営状況を分析してくれ、経営戦略の立案に役立てることも可能です。
具体的には、どのような効果が期待できるのかを、以下5つのメリットでまとめました。クリニックの運営に課題がある方は、歯科予約システムを検討されてはいかがでしょうか。
歯科予約システムの導入により、予約の受付や変更なども容易になります。スムーズな予約対応により患者を待たせず機会損失を減らせるほか、自動リマインド機能を持つシステムなら予約確認のメールなどで診療中断を防ぐことにもつながります。
スタッフの業務を軽減できることも、歯科予約システムを導入するメリット。円滑な予約対応ができるのはもちろん、予約時間のバッティングといったスタッフのミスも減らせ、業務効率のアップに大きく貢献してくれます。
今の時代、腕のいい医師がいるだけでは新患やリピーターの獲得にはつながりません。スタッフの対応をはじめ、サービス面で優れているクリニックが選ばれる時代です。そんなサービス改善に、歯科予約システムが大きく寄与します。
「待ち時間が長い」といった患者からのクレームに対し、適切な対応をすることもクリニックの信頼性アップにつながります。歯科予約システムが持つ、さまざまなデータを分析することによって、こうしたクレームを大幅に減らすことも可能です。
患者一人ひとりの来院履歴、疾患の状態、性格や家族構成、特徴など、あらゆるデータを共有できる歯科予約システム。全スタッフが、一人ひとりの患者に適した接遇をしやすくなることでクリニックの評判がよくなり、経営面でも大きく貢献してくれます。
歯科予約システムを導入することでメリットがあるのはクリニックだけではありません。次は、歯科予約システムが患者側にもたらすメリットについてチェックしていきましょう!
歯科治療では症例によって治療にかかる時間が異なるものですが、予約システムでは事前に症例に合った治療時間の予約を取ることができます。
治療にかかる時間、治療が終わる時間がわかったうえで予約を取れますので、患者は自分の予定に合わせて予約を取りやすくなります。
予約システムを導入していない場合、患者は電話や来院時に予約を取る必要があり、予約を取るのが面倒に感じやすいものです。
しかし、予約システムではネットやアプリから気軽に予約ができるようになります。
「歯医者は待ち時間が長くて行くのが面倒」そう感じている患者は多いものです。
予約システムでは患者の症例に合わせて治療時間を算出し、予約可能時間の管理を行なっていますので、患者の待ち時間発生を防ぐことが可能です。
電話以外でもメールやSMS、会員ページから予約の確認や案内を受け取ることができるのも予約管理システムの魅力。
「クリニックから電話で予約の確認や案内が来ても、日中は忙しくて電話にでることができず、夜は歯医者が終わってしまっている……」なんて患者でも安心して予約を取れます。
予約の変更やキャンセルを電話で依頼するとなると、「この間も変更してもらったし、なんだか気まずいな……」と心理的負担を感じることも。
ネットやアプリで予約の変更・キャンセルができる予約システムでは患者の心理的負担を軽減するほか、簡単に予約を確認できることから来院忘れを防止することができます。
予約システムを使わない場合、予約時間に遅刻してもほかの患者を先に診察するなどの対応がしやすいですが、予約システムでは診療スケジュールが決まっているために遅刻した患者の診療が難しくなってしまいます。
遅刻した患者同様、「急に痛みがでてしまったので、今日診察してほしい」といった患者の要望に対応しづらいデメリットもあります。既存患者の要望に対応できないと「急な診察に対応してくれない!」なんてクレームにつながりやすいです。
予約システムによって明確な治療開始時刻・終了時刻が決まっていると、患者はタイトなスケジュールのなかで来院することが多いです。そのため、予約の時間と実際の時間にズレが生じると、大きなクレームになってしまう可能性が高くなります。
予約の取り方に余裕を持たせることで、急なスケジュール変更にも柔軟に対応できるようになり、クレームも減ります。クリニックの規模にもよりますが、1時間に1枠は予約を入れずに開けておくといった対策が有効です。午後の1,2時間程度を予約以外の診療枠として開けているクリニックもあるようです。予定より診療が遅れそうな場合は、あらかじめ患者側に待ち時間を伝えて謝罪を行いましょう。いつまで待たされるのかという不安を取り除くことで、クレームにつながりにくくなります。アメニティーが充実していると、待ち時間も退屈せずに過ごせるでしょう。
クレームに対してはマニュアルで対応を統一し、冷静な対応ができるようスタッフの教育をしておく必要があります。誠意をもって対応しても、暴言を吐かれたり騒がれたりした場合は、予約制のデメリットとあきらめるのも手です。
患者のなかにはスマホやPCを持っていない人、スマホやPCをうまく扱えない人も一定数います。そういった人は予約システムを「わかりづらい」と感じやすいので、電話でも対応できるようにするなどの措置が必要になるでしょう。
予約システムはどれも比較的簡単に導入・実施できるものですが、従来のシステムからの切り替えも必要ですので、「患者への周知」「初期費用・設備への投資」などの負担は発生します。
初期コストはかかりますが、さまざまな事務作業がシステム内でできるようになるため、長期的な人件費が抑えられます。さらに、ミスややり取りの中でのロスが減るため、コスト面だけでなく患者さんからの信頼にもつながるでしょう。
電話やファックス、インターネットなど各種機器と連動できるシステムもあるため、今までより予約方法が増えることはあっても、スマホやPCを使えないから予約できないという事はないはずです。
予約管理システムにはさまざまなメリット・デメリットが存在しますが、実際に導入したクリニックではどのような効果があったのでしょうか。活用事例を紹介していきます。
Aクリニックでは予約システムに付随している「患者データ分析機能」を用いて、患者の居住地をチェックすることに。その結果、クリニックの半径1km以上の地域から来院する患者が少ないことが判明しました。
半径1km以上の地域を中心に広告を打ち出すことによって、半径1km以上の地域から来院する患者の割合を10%アップさせることに成功したそうです。
Bクリニックは予約システムを使って無断キャンセル患者・治療中断患者の情報を分析。そういった患者は「気まずさ」を感じてクリニックから足が遠のいてしまっていることが多いので、クリニック側から連絡を行うことにより、再度来院につなげることができました。
また、定期検診の連絡を行うことにより、定期検診による来院も増加したようです。