歯科医院で勤務する方々を対象に、アンケート調査を行いました。
医院が抱えていた悩みや、導入の決め手、選び方から、導入したことの満足度など、リアルな声を掲載しています。
対象:歯科予約システムの導入に関与した、歯科医院で勤務する男女52人
2024年8月実施(調査機関:Fastask)

歯科医院での予約管理における課題として、「予約作業や管理が非効率で手間がかかっていた」と回答した方が27.5%で最も多く、次いで「患者からの電話対応に時間がかかっていた」が17.6%、「予約ノートの取り扱い(紛失・破損など)」と「無断キャンセルや遅刻が多かった」が共に13.7%という結果となりました。
現状の予約管理方法には多くの非効率性やリスクが存在していることがうかがえます。特に、手作業やアナログ管理によるミスが3.9%と少数派であるものの、他の回答と合わせて、歯科医院がより効率的でリスクを減らすために、デジタル化された予約システムの導入を求めていることが見て取れます。

歯科医院が予約システムを導入した主なきっかけとして、「業務効率を向上させる必要があった」と回答した割合が51.0%と最も高く、次いで「システム導入で経営を改善したいと考えた」が43.1%、「患者からオンライン予約の要望があった」が35.3%となっています。また、「無断キャンセルを減らしたかった」とする回答も31.4%を占めており、これらの結果から、多くの歯科医院が業務の効率化や経営の改善を重視してシステム導入を決定したことがわかります。
特に、競合医院との差別化やスタッフの業務負担軽減といった要因も一定の割合で挙がっており、患者満足度の向上やスタッフの働きやすさを考慮した総合的な判断であったと考えられます。
さらに、感染症の流行を背景に接触機会を減らす目的やレセコンの買い替えに伴う導入も見られることから、ひとつではなくさまざまな理由が重なってシステム導入が進められていることがわかります。

歯科医院が予約システムを選定する際に重視したポイントとして、「コスト」と「シンプルで分かりやすい管理画面」が共に47.1%と最も高い割合を占めました。次いで、「カスタマイズ性」が33.3%、「セキュリティ」が39.2%、「導入までの短さ」が37.3%と続いています。
多くの歯科医院がシステム導入にあたり、コストパフォーマンスと使いやすさを重視していることがうかがえます。また、セキュリティや導入の迅速さも重要視されていることから、患者情報の保護と迅速な業務改善を意識していることが見て取れます。
さらに、「患者満足度の向上」や「システムの安定性」も一定の関心を集めており、長期的な運用や患者との信頼関係構築を視野に入れた選定基準が採用されていることが示されています。全体として、医院のニーズや運用環境に合わせたバランスの取れたシステム選びが行われていることがわかります。

歯科医院が導入した予約システムを選んだ理由として最も多かったのは「コストパフォーマンスが良かった」で49.0%、次いで「自院にあわせた柔軟なカスタマイズが可能だった」が45.1%、さらに「サポート体制が充実していた」が39.2%となっています。
多くの歯科医院がシステム選定において、費用対効果や自院に特化したカスタマイズの可能性、そして導入後のサポート体制を重視していることがわかります。また、「機能が豊富であった」や「他医院の評判が良かった」という理由も35.3%と一定の割合を占めており、システムの機能性や第三者からの評価も選定基準に影響していることが示されています。
さらに、「デモ版や試用期間での印象が良かった」という回答も21.6%あり、実際の使用感や導入前の体験が購入決定に寄与していることも見て取れます。全体として、コスト、機能性、サポート、カスタマイズ性など、多岐にわたる要素を考慮した上での選定が行われていることがうかがえます。

歯科予約システムの導入後に最も改善された点として、「無断キャンセルが減少した」という回答が49.0%と最も高くなっています。次いで、「予約管理の効率が向上した」と「チェアサイドで予約が取れるようになった」が共に41.2%という結果となりました。また、「患者満足度が向上した」が33.3%、「スタッフの業務負担が軽減された」が29.4%と続いており、システム導入により業務の効率化だけでなく、スタッフと患者の両方にとっての利便性が向上したことがわかります。
一方で、「新規患者の獲得が容易になった」や「経営が改善された」といった回答はそれぞれ9.8%と11.8%と比較的少ない割合でしたが、全体的には、システム導入が多くの面で医院の運営にプラスの影響を与えたことがわかります。これらの結果から、歯科予約システムの導入により、予約管理の効率化とキャンセルの減少が特に大きな効果をもたらしているといえるでしょう。

歯科医院における患者のオンライン予約の利用率は、「30%~50%未満」が最も多く、33.3%を占めています。次いで、「10%~30%未満」が25.5%、「50%~70%未満」が21.6%となっています。
オンライン予約は全体の約半数近くの患者に利用されていることがわかります。一方で、「90%以上」と高い利用率を示した医院も7.8%存在し、オンライン予約が非常に浸透している例もあることが見て取れます。逆に「10%未満」や「ほとんど利用されていない」と回答した医院も合わせて5.9%あり、導入状況にはばらつきがあることがわかりました。
全体的には、オンライン予約が一定の割合で患者に利用されており、特に30%から50%の範囲で活用されているケースが多いことから、今後の普及拡大に向けた取り組みが期待される状況であると考えられます。

歯科予約システムのリマインダー機能が無断キャンセルの減少に役立っているかどうかについて、「ある程度役立っている」と回答した医院が41.2%と最も多く、次いで「非常に役立っている」が21.6%という結果となっています。
多くの医院でリマインダー機能が無断キャンセルの防止に対して有効であると認識されていることがわかる一方で、「あまり役立っていない」と回答した割合は11.8%、「全く役立っていない」が17.6%となっており、一部の医院ではリマインダー機能の効果が限定的であるか、十分に活用されていない可能性も考えられます。
また、「機能を使用していない」や「無断キャンセル自体が少ない」といった回答も見られ、各医院の状況やニーズによってリマインダー機能の効果や必要性に差があることが示されています。全体として、リマインダー機能は多くの医院で一定の効果を発揮しているものの、その有効性には個々の医院の運用状況に応じて異なるようです。

歯科予約システムの導入後、スタッフの業務負担が「ある程度軽減された」と回答した割合が62.7%と最も多く、次いで「大幅に軽減された」が13.7%となっています。
多くの歯科医院でシステム導入が業務負担の軽減に貢献していることがわかる一方で、「あまり変わらない」と回答した医院も13.7%あり、システム導入後も業務負担があまり改善されなかったケースも存在しています。
また、「負担が増加した」と回答した医院が9.8%であったことから、システムの導入が必ずしも全ての医院にとってプラスの影響を与えるわけではなく、運用方法やシステムの適合性によっては負担が増えることもあるようです。全体として、システム導入により多くの医院でスタッフの業務負担が軽減される傾向にあるものの、その効果には個々の医院の状況に応じて異なるようです。

歯科医院が今後予約システムに追加してほしい機能や改善点として、「分析・レポート機能の強化」が49.0%と最も高く、「スタッフのシフト管理との連携」が47.1%、「患者のオンライン決済機能」が45.1%と続いています。この結果から、業務の効率化や経営の改善をさらに推進するための機能強化が求められていることがわかります。
特に、予約システム導入のきっかけとして「業務効率を向上させる必要があった」や「システム導入で経営を改善したいと考えた」といった理由が高い割合を占めていたことから、これらのニーズが引き続き重要視されていることが読み取れます。
導入後の改善点として「分析・レポート機能の強化」や「スタッフのシフト管理との連携」は、業務の効率化や経営改善に直結する要素であり、導入時の期待と一致しています。
また、「患者への詳細なフォローアップ機能」や「患者のフィードバックを簡単に収集できる機能」といった機能も一定の需要があり、患者ケアの質の向上やサービスの充実が引き続き求められていることがわかります。全体として、業務効率や経営改善のニーズが高いことに加え、患者サービスの向上に向けた機能の追加が期待されていることでしょう。


