歯科予約システムの運用方法は、オンプレ型(オンプレミス型)とクラウド型に分類されます。ここでは両者の概要とメリット・デメリットを解説します。
オンプレ型は、自院でサーバーやソフトウェアなどを保有して、管理・運用などを行う方式です。一定の設備投資が必要になるうえ、管理・運用なども行わなければならないため、基本的には規模の大きな歯科医院に向いている方式といえるでしょう。
オンプレ型のおもなメリットは次のとおりです。
自院のサーバーとネットワークを使用するため、適切に管理すれば強固なセキュリティを構築できます。患者様の個人情報を扱う歯科医院と相性のよい方式と考えられます。自院の業務にあわせてカスタマイズしやすい点も魅力です。具体的なカスタマイズの内容はケースで異なりますが、既存の設備と連携して業務効率を高められることもあります。
オンプレ型のおもなデメリットは次のとおりです。
サーバーをはじめとするIT機器などを購入して、自院の環境にあわせた開発を行わなければならないため、導入時に一定のコストがかかります。ただし、レセコンに搭載されている予約システムを利用する場合は、コストを抑えられることがあります。
原則として自院で管理・運用するため、専門的な業務が発生する点にも注意が必要です。具体的には、データのバックアップ、システムの更新、メンテナンスなどの業務が発生します。
クラウド型は、インターネットを介してオンライン上のサーバーで提供されているサービスを利用する方式です。手軽に利用できるため、小規模な歯科医院でも利用しやすいといえるでしょう。
クラウド型のおもなメリットは次のとおりです。
サーバーやソフトウェアなどを購入する必要がないため、導入時のコストを抑えられます。かかる費用は、月額利用料(または年額利用料)が中心です。また、ソフトウェアを開発する必要もないためスムーズに導入できます。ベンダーが保守やメンテナンスを行う点も魅力です。データのバックアップやシステムの更新を自院で行う必要はありません。インターネット環境があれば、場所を問わず利用できる点もクラウド型の強みです。訪問診療などでも活用できる可能性があります。
クラウド型のおもなデメリットは次のとおりです。
クラウド型は、不特定多数のユーザーに向けてシステムを開発しています。オプションを利用して多少のカスタマイズはできますが、自院の業務に最適化することは原則としてできません。歯科予約システムでできることを確かめてから導入することが大切です。また、インターネット接続を必要とするため、何らかの理由で通信ができない場合、サービスの利用が困難になります。万が一に備えて、対策を講じておくことも大切です。
歯科予約システムは、オンプレ型とクラウド型にわかれます。前者は自院でサーバーなどを保有する方式、後者はインターネットを介してサービスを利用する方式です。オンプレ型にはカスタマイズしやすい、クラウド型にはイニシャルコストを抑えられるなどのメリットがあります。両者の特徴を理解してから、自院に合っている歯科予約システムを導入することが大切です。
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